NMNがミトコンドリアを増加させる!日本の基礎研究

九州大学

今回は日本の九州大学で行われたNMNに関する基礎研究を紹介したいと思います。

九州大学は、日本の国立大学で、福岡県福岡市にあります。 文部科学省が実施しているスーパーグローバル大学事業のトップ型指定校であり、「指定国立大学法人」に指定された名門です。

NMNは今世紀最大の発見と言われ、世界中の研究者がNMNのレポートを出しています。NMNは近い未来全世界の人が日常的に摂取するサプリメントになると言われています。

この記事を読んでほしい人

  • NMNについて知りたい人
  • NMNを試そうと思っている人

この記事の結論

  1. NMNはコエンザイムQ10の活性を増加させることにより、人の細胞のミトコンドリア内のヌクレオチド濃度を増加させる。
  2. NMNはリボース 5-リン酸という、NMNをヌクレオチドの前駆体分子に分解する酵素を活性化させる。

この記事の本文

九州大学が研究した背景

九州大学のKang教授とその研究チームは、NMNという特別な物質が細胞のバッテリー、ミトコンドリアで、もっと多くの「エネルギーの材料」を作ることができることを見つけました。

ミトコンドリアは自分自身の「設計図」(これをDNAと呼びます)を持っています。よって、もっと多くの「エネルギーの材料」があれば、ミトコンドリアの「設計図」を作ったり、コピーしたりするのが活性化するかもしれません。これはミトコンドリアが元気に保つために大切です。

年を取ると、心臓や体のエネルギーを管理する部分が弱くなることがよくありますが、それはミトコンドリアがうまく働かなくなるからです。だから、この発見は、NMNがどうやって私たちの体を元気に保つのかをよりよく理解する助けになります。

NMNはミトコンドリアのDNA構成要素を増加します

NMNがどのようにして私たちの体を若々しく保つのかをもっとよく理解するために、日本の研究チームは、人間の腎臓細胞のミトコンドリア(細胞のバッテリー)から出てくる「ごみ」(これをメタボライトと呼びます)を調べました。

九州大学研究者は、NMNを飲むと、細胞のバッテリー内部でタンパク質の材料や、NAD+という特別な物質の「ごみ」だけでなく、DNAやRNA(これらは細胞の「設計図」の材料)の材料も増えていることを見つけました。さらに、九州大学のKang先生とその友達は、NMNがオロチン酸という特別な「ごみ」も増やすことを見つけました。このオロチン酸は、細胞の「設計図」の材料がたくさん作られるときに増えます。これは、NMNが細胞のバッテリー内部での「設計図」の材料を増やすことを示しています。

これは九州大学の瀬戸山教授が発表した論文のデータです。 NMN はミトコンドリアでのヌクレオチド生成を促進します。ヒト腎臓細胞を NMN (NMN_1mM および NMN1.5mM) で処理すると、オロト酸濃度が大幅に増加し、ヌクレオチド産生の増加を示します。

化学における1mMは1ミリモルという単位を意味します。これは濃度の単位で、1リットルの溶液中に1ミリモルの溶質が含まれていることを表します。

モルは物質の量を表す単位で、アボガドロ数(約6.022 x 10^23)の粒子が含まれています。これは非常に大きな数なので、通常はミリモル(モルの1/1000)などの単位が使われます。

したがって、1mMのNMNとは、1リットルの溶液中にNMNが1ミリモル含まれている状態を指します。具体的な重量はNMNの分子量によります。分子量は各元素の原子量の合計で、NMNの場合は約334グラム/モルです。したがって、1mMのNMNの溶液は、1リットルあたり約0.334グラムのNMNを含んでいると言えます。

ミトコンドリアで大切な働きをする酵素として、ユビキノン(コエンザイムQ10)というものがあります。これが「設計図」の材料を増やすのに大切なので、九州大学の研究者たちは、NMNがウビキノンの量にどのような影響を与えるのかを調べました。すると、NMNがミトコンドリア内のユビキノン(コエンザイムQ10)の量を大幅に増やすことが分かりました。これは、NMNがどのようにして細胞のバッテリーで「設計図」の材料を増やすのかを解明しました。

ミトコンドリア(細胞のエネルギーを作る部分)から出てくる「ごみ」を調べることで、九州大学のKang教授たちはNMNが「設計図」の材料(ヌクレオチド)を作る新しい方法を見つけました。

彼らの調査では、NMNがBST1という酵素(分子を分解したり組み立てたりするための働き手)を活性化することを発見しました。このBST1は、NMNを「リボース5-リン酸」という、新しい「設計図」の材料を作るのに必要なパーツに分解します。

これらの発見は、NMNが新しい「設計図」の材料を作るために必要なパーツを提供する、という新しい方法を見つけたということを示しています。そして、これらのパーツはミトコンドリアで新しいDNA(細胞の「設計図」)を作るために使われます。

この研究では、NMNが細胞内のミトコンドリアのDNA(「設計図」の量)を増やすことは示されていません。しかし、短期間のNMNの補給がミトコンドリアの「設計図」の材料を増やすことを証明しています。つまり、ミトコンドリアの「設計図」がたくさん必要な状況、例えばミトコンドリアがダメージを受けたときなどに、細胞はNMNから作られた「設計図」の材料を使ってミトコンドリアを補充することができるということです。

さらに、長期間にわたって使用した場合、NMNがミトコンドリアの数を増やし、その結果、「設計図」のコピーの数も増える可能性があるということです。いずれにしても、この研究はNMNが細胞の健康に良い効果をもたらすという証拠をさらに提供しています。

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